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東京 不倫問題 償いと憎しみ・・vol.3

※当社プライバシーポリシーに従い、個人名・団体名・社名等は変更して記載させて頂いております。


彼女は察して長話を詫びると私にコーヒーに砂糖とミルクが必要か尋ねてくれた。


人生の壮絶な場面に遭遇した人間は特有の静けさを持っている。

それはあきらめや悲しみにも似ているが彼女には別の何かを感じていた。



私は彼女からの電話が鳴ったあの夜の悪夢との結びつきを模索していた。
夢のメッセージはあまりにも具体的だった。
そしていくつかのキーワードが彼女の話と一致している。
その度に私の背筋は凍りついた。



彼女はまた静かに語り始めた。

夫は妻に対する裏切りを死によって償ったのだろうか・・。

あるいは妊娠させた女性に対して責任のとれない自分の存在そのものを否定したのか。

自分を省みることもせずただ夫を責めた自分に対する後悔。

そして何よりもいつもそばにいるはずだった家族としての夫を失った悲しみと寂しさに打ちひしがれていた。



彼女はそれでも息子の前では気丈にも明るく振る舞った。
大学進学を目指す多感な高校生が父の死を目の当たりしている。
息子と二人の食卓では決してあの時の事件については触れないことが暗黙のルールとなっていた。


彼女は夫とよく二人で飲みに出かけた馴染みの居酒屋に足を運んだ。
感じのいい店だった。

肴は鮮度のいい刺身が良く旬の魚にこだわり、親方自らが毎朝市場に足を運んでいた。

店のスタッフも夫婦を良く知っていただけに彼女に気遣い明るく接してくれた。



「いずれは俺たちも年を取ったら夫婦でこんな店をやって気のおけない仲間と呑み明かしたいな」



笑いながらひとり言のように言った夫の言葉が懐かしく悲しく蘇った。

話のうまい親方やスタッフと軽口を交わしながら夫と呑んだ懐かしく楽しい記憶。


カウンターでひとり熱燗を嗜むうちに涙があふれ出して止まらなかった。
いつの間にか彼女のとなりに店のスタッフであり夫婦の友人でもあった曾根田(仮名)という男が座っていた。
曾根田は何もいわずおしぼりを差し出し酒を注いだ。

そして彼女の肩を抱きじっと見つめると静かにうなずいた。


(もういいんだよ、無理をしなくて)


彼の目は無言でそう語っているように見えた。

彼女の中でこれまで気丈に張りつめていた何かが切れたように初めて関を切ったように声を出して泣いた。



数日後、曾根田は自宅に弔問したいと言ってきた。



「主人も喜ぶでしょうから。」


夫の位牌に手を合わせる曾根田はうっすらと涙さえ浮かべていた。



その時曾根田の中に故人を弔うという大義名分の影に狡猾な悪魔を潜ませていたのかは知るすべもない。

しかし伴侶を失った彼女に空いたあまりにも大きな心の隙間に潜り込んだことは事実だった。

曾根田がまるで自宅のように頻繁に訪れるようになるまで時間はかからなかった。

もちろん二人の関係は居酒屋の親方やスタッフには秘密だった。



息子は怪訝な顔をしたが母親の寂しさを察したのか。

何も言わなかった。



二ヶ月が過ぎた頃、曾根田は店を辞めてきた。

いつしかジャージでリビングのソファーにくつろぎ野球を見ながら晩のおかずを聞くようになった。

食費や経済的な負担はいつも彼女。

服が欲しい。車を買い替えたい・・なんだかんだと理由をつけては金をせびった。

それでも彼女は自分を慰めていつもそばにいてくれるお礼のつもりだった。

そして独立して開業したい夢があり物件も決めてあるが、その資金がないと嘯いた。



彼女は週に何度か小学生に水泳を教えていた。

収入としては魅力のある仕事ではないが身体を動かし子供たちを見ていると元気になれた。



帰宅すると曾根田がいた。


息子が家にいるときでもかまわず求めてきた。

彼女はその配慮のなさが許せなかった。



ある時彼女はついに口に出してそれを訴えた。



「年増のくせしていい気になりやがって!俺が好きで抱いているとでも思っているのか。」



捨て台詞を吐くと出て行った。



これで良かったのかもしれない。

しかし、気がつくと口座の預金が一千万近くなくなっていた。



曾根田はアパートを訪ねると既に引き払っており蛻のカラだった。

再び孤独感にさいなまれた。



曾根田は住み込みの仕事にありつき寮を与えられ、そこに女と住んでいた。



彼女は曾根田の住む寮の合鍵を無断で作っていた。

そして曾根田が帰宅したのを見計らうと手に包丁を握りしめ忍び足で階段を昇っていた、不審に感じた曾根田の勤め先の同僚に声をかけられ取り押さえられた。

警察官が怨恨のもつれからくる事情を察してくれたおかげで問題は公にならずに済んだ。


それでも彼女の怒り憎しみは鎮まらなかった。

そして、また別な日に包丁を握りしめて曾根田の寮に向かったところを警戒していた社長に見つかりいさめられたという。


自分では手に負えない。こんなことをどこに相談したらいいのかもわからない。

そこで電話帳を開き目に止まったのが探偵事務所だったのだという。

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