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東京 不倫問題 償いと憎しみ・・vol.4

※当社プライバシーポリシーに従い、個人名・団体名・社名等は変更して記載させて頂いております。


夫を責め続け許すことのできないままに死という形で別離した償いの念と、

曾根田の夫の残した遺産を狙った狡猾な利用の餌食となり裏切られた憎悪の念といった

相反する二つの感情が複雑に絡み合い、彼女の中に棲みつき蝕んでいるのだと感じた。


私はあの晩に見た悪夢と彼女の体験との不可解な共通点について切り出した。

彼女の強い念が無意識に私に送ったメッセージなのだとしたら何かヒントが隠されているかもしれない。



夢の話を聞いた彼女は驚いていたが、すぐに私たちはその謎解きに夢中になっていた。


初老の黒い洋服を着た女性はきっと彼女自身。

膝の上の分厚い本は夫の信仰しているキリスト教の聖書


女性が起ち上がった時に拳に握りしめていた鍵束は曾根田の寮の合鍵。

そしてギラギラ光る鍵束とおぞましいほどの殺気は彼女自身の曾根田に対する殺意と彼を刺すために準備した包丁ではないだろうか。



コーラを奪い合う少年たち喉の渇きはやけどをした夫の焼けただれた苦しみ・・

水泳キャップの少年たちは彼女が教えている小学生たち。


少年たちがおびえた司祭様は夫の信仰するキリスト教の牧師
なぜ怯えていたのか・・夫が選んだ自殺という選択に対する戒めなのか。



いくつもの共通点が浮かび上がった。

彼女は潜在意識の中で私にどんなメッセージを送っていたというのか。


日が暮れていた。

時折、奥の部屋から人のいる気配と物音を感じたが、もう恐怖感は消えていた。



悪夢の冒頭で見た牢の中の少女
板きれに飛び乗ると軽快にそれを操り湖面を駆け抜けて私が水に落ちている間に消えてしまった。
あの少女だけが謎のままだった。



彼女の曾根田に対する殺意を抱くまでの憎しみ。



「あの男は許せないんです。なんとか部屋に侵入することができれば・・

私の目的を邪魔した曾根田の雇い主も苦しめたいんです。」



私は改めて犯罪の幇助を請け負うことはできないことを伝えた。



私は事務所に帰る車の中で彼女が今晩にもまた夢遊病者のように包丁を握りしめ曾根田を狙う惨劇を想像していた。

一刻も早く彼女の中の殺意を消し去らなければならない。



その夜私は眠れずにいた。
これといった特効薬は見つからなかった。



翌日から彼女に尾行を付けた。

事情を知った以上見過ごすわけにはいかなかった。



数日後の深夜、調査員から彼女が曾根田のアパートに向かっているという報告を受けた。
万が一の時は彼女を制止するように指示し私は急いで現場に向かった。
現場に着くと調査員が彼女を説得していた。彼女は大声で泣きわめいていた。
しかし、私の顔を見ると憑きものが落ちたように冷静になった。



「酒を飲みに行きましょうか」



酒を飲むと彼女はまた涙を流した。



それから毎日何度も彼女と電話で話をした。

前向きに生きていくこと。人を恨んで苦しむのは恨んでいる本人自身だとか。

そんなことばかり話していたように記憶している。



私は頻繁に彼女を呼び出した。

事務所のスタッフと連れだってカラオケに行ったり、呑みに行ったり。

そんなときの彼女は楽しそうにしわだらけの顔を歪めて笑っていた。



そんなある日ついに悪夢の中の少女の謎が解けた



彼女は夫との思い出のその家を手放す決意をしていた。

そして、いずれ息子と二人で住めるだけのマンションに引っ越したのだ。



少女は水辺の牢にいた。
牢はあの忌まわしい過去を背負った自宅だったのだ。
侵入する水は夫が自ら放った炎を消すためのもの
朽ちた牢の格子が折れるのを待って少女は軽快に外の世界に走り出した。


あの家には今生に未練を残し自らの尊い命を絶った夫の霊がいた。

曾根田を操る狡猾な悪魔と情念がいた。

そして彼女の夫に対する償いの念と曾根田に対する憎しみが棲みついていたのだ。


悪夢の中の少女は彼女の奥底にある純心の象徴だったのかもしれない。

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